今年7月初旬に1ドル161円を記録したかと思えば、その約2カ月半後に140円を割り込むなど、日々値動きが激しい為替相場。
オルカン(全世界株式/オール・カントリー)に投資している人の中には、今後円高になるリスクがあっても投資を続けるべきか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
円高になると、オルカンの資産は減る可能性があります。
ただ、新NISAを活用して定期的に積立を行うなど、15年や20年といった長期での運用を前提とするならば、短期の為替変動に一喜一憂するのはあまり意味がありません。
この記事では、円高がオルカンに与える影響についてわかりやすく解説します。
オルカンへの投資を継続するための考え方についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
オルカンは円高になるとどうなる?
円高になると、オルカンの資産は減る可能性があります。
これは、オルカンが主に外貨建て資産で構成される投資信託だからです。
オルカンには約5%の日本株も含まれていますが、それ以外の約95%は米国株をはじめとする外国株です。
そのため、オルカンの資産は株価の動向だけでなく、為替の影響も受けやすいのが特徴だといえるでしょう。
円高になると、円の価値が他の通貨に対して上がるため、外貨建て資産を円に換算したときの評価額は下がりやすい傾向があります。
具体例をあげると、たとえばオルカンの主力である米国株の株価がドルで変わらなかったとしても、円高が10%進行すれば、評価額も円換算で10%程度下がることがあります。
また、米国株の株価が上昇している場面でさえ、円高によって評価額が下がる可能性は十分にあるのです。
よって、オルカンに投資する上で、為替は決して無視できない要素です。
特に短期投資を想定している場合は、為替が極端に円高に振れると、評価額が大幅に下落するリスクがあるので注意が必要です。
オルカンは円高のときが買い時?
一般的に、円高のときはオルカンを買うタイミングとして考えられます。
なぜなら、円高時は外貨建て資産を安く購入でき、将来円安になったときに為替差益を得られる可能性があるからです。
とはいえ、短期的な為替の動向を予測するのは難しく、円高のタイミングを狙いすぎると、一向に買えないといった事態も起こりえます。
オルカンのようなインデックスファンドは、できるだけ早く始めて、市場に長く居続けるほど有利であるといわれています。
購入を先延ばしにすれば、その分機会損失のリスクが高まることも理解しておきたいところです。
長期投資を行うのであれば、為替の影響はあまり気にしなくて良いでしょう。
オルカンは時間をかけて資産を増やす目的に向いているため、為替の値動きに神経質になるよりも、資産配分や積立投資を継続するほうが、将来大きなリターンを期待できるでしょう。
オルカンは円高でも円安でも継続するのが◎な理由
オルカンは円高でも円安でも、投資を継続することで資産が増えやすくなります。
その理由は次の3つです。
- ドルコスト平均法の効果を得られるから
- 為替や市場の短期的な予測は不可能だから
- 長期的な分散投資が資産形成に有利だから
ドルコスト平均法の効果を得られるから
ドルコスト平均法は、一定額を定期的に投資することで買付単価を平準化する手法です。
為替変動や市場変動の影響を受けにくくなるため、特にオルカンのような外国資産に分散投資するファンドにおいては効果的です。
基準価額が低いときは購入口数が多く、基準価額が高いときは購入口数が少なくなるため、長期的にはコストの平準化が期待できます。
為替や投資時期を細かく気にするよりも、継続的に投資することで、時間とともに市場の変動を乗り越えられるでしょう。
為替や市場の短期的な予測は不可能だから
為替相場や株式市場の動向を短期的に予測するのは非常に難しいため、円高や円安のタイミングを見計らって投資するのは非現実的です。
たとえ一時的に円高のタイミングが来ても、その後に継続的な為替変動や市場変動が起こる可能性が高く、「底値で買う」や「高値で売る」といった理想的な売買は、プロの投資家でもなかなかできません。
こうした短期的な変動に振り回されず、計画的に資産形成を行うためには、あらかじめ決めておいたことをただ淡々と実行するのがポイントです。
具体的には、毎月一定額を積み立てるなど、長期で継続的に投資するほうが良い結果につながりやすいでしょう。
長期的な分散投資が資産形成に有利だから
オルカンは全世界株式に投資することで、地域や通貨、経済状況の分散を図っています。
長期的に見ると、分散投資はリスク軽減と安定的なリターンに有利な戦略です。
短期的な為替や市場の動きに一喜一憂するよりも、オルカンが提供する地域分散や通貨分散のメリットを活かして、長期的な成長を目指すほうが資産形成の効率を高められます。
オルカンへの投資を継続することで、世界経済の成長を取り込むことができ、特定の国や通貨への依存も抑えらます。
さらに、発生した分配金を再投資することで複利の効果が得られ、資産が雪だるま式に増えていくことも期待できるのです。
まとめ
円高になると、オルカンの資産は減る可能性があります。
特に短期投資を想定している場合は、為替が極端に円高に振れると、評価額が大幅に下落するリスクがあるので注意が必要です。
ただ、新NISAを活用して定期的に積立を行うなど、15年や20年といった長期での運用を前提とするならば、短期の為替変動に一喜一憂するのはあまり意味がありません。
オルカンは円高でも円安でも、継続することで資産が増えやすくなるため、長期投資を前提に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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